Kiss   from 都筑

HP開設記念キススペシャル

高柳 悠

「ひっそかー」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「キッス、プレゼント フォ ユー」

「いらねー」

小躍りしている都筑にそっけなく返して、密はとっとと歩き出す。

閻魔庁内の廊下でいきなりこんなことしている馬鹿になんて、まともに付き合ってられない。

「遠慮しなくてもいいったら」

こりずに密の前に出てにこにこと話し掛ける。

「遠慮なんか、してねーよ」

「密ちゃんたら、照れ屋さん」

全然密の話なんか聞いちゃいない都筑との会話は、とっても疲れる。

もう完全に相手をするのをやめる事にした密は、どんどん歩いて閻魔庁

から外に出て行く。

今日は取り合えずやることもないので、図書館で本の物色でもしようと思っていたのだ。

本なんか全然読まないくせに、密について図書館に入ってきた都筑は金魚の糞のように密から離れない。

「お前なー・・・・うっとおしい!」

しばらく放っておいたが、ちょこちょこついてこられたらうざったいことこの上ない。

「だって、密。俺にキスして欲しいでしょ?」

「あーのーなー・・・・・」

「キス、嫌?」

ぐっと顔を近寄らせて、都筑はささやくように言う。

本棚との間に挟まれて逃げ道のない密は、視線を反らせることしか出来ない。

「俺とのキス。密は嫌なの?」

「・・・・・・・・」

「俺のこと好き?」

「・・・・・・・・・・・そーゆー聞き方は、卑怯だ」

上目遣いに睨むと、優しい紫の瞳が見つめている。

「密、ほら」

ちょん、と指であごを上に向けさせられる。

「・・・・・・キス、ね」

 

 

END