HP開設記念キススペシャル |
高柳 悠
「ちょ・・・・っと・・・・まて・・・・ってばっ」 合わさった口唇の隙間から、ガッツが必死に止める言葉を聞き流して、グリフィスは思う存分ガッツにキスを送る。 ベットで仰向けになったガッツの上にのしかかって、閉じることを許さない口に舌を差し入れ、逃げ回るガッツの舌を追いかけるように絡ませる。 「うっ・・・・ま・・・・って・・・・っ」 上手く誘い出しては、根元から吸い上げる。 グリフィスは舌根を舐めると跳ね上がる背を楽しみながら、行為を繰り替えした。 なんとかグリフィスらか逃れようとしていたガッツの抵抗が少なくなった頃、油断したグリフィスが舌先を甘噛みするなんていう可愛らしいことをした隙をついてガッツは自分からグリフィスを引き離すことにようやく成功する。 「お・・・・前はっ!まてっていってるだろう!」 肩を持ち上げるようにして、自分から遠ざける。 グリフィスの髪がガッツの顔にさらりと落ちてきた。 引き離されたグリフィスは、びっくりしたように目を見開いてガッツをみている。 あどけない瞳の色の割りに、色付いた口唇が濡れてガッツの方が恥ずかしくなる。 「まったく、キスだけじゃないのかよ?」 はぐらかすように視線をずらして、さっきまでの行為に対して抗議をする。 「だから、キスだろ」 グリフィスの声はあくまで暢気である。 「ディープキス、という立派なキスの一種だ。もしかして触れるだけの可愛いのを想像してたのか?」 言い訳のような正論を言われて、もとより弁の立たないガッツに言い返す言葉はない。 それに触れるだけのキスだと思っていた、なんてお子様のようなこと言える分けない。 「だ、だがなっ・・・・」 続かない返答に詰まって言葉をにごらせたガッツは、見下ろすグリフィスの視線に妖艶さが宿ったのを見て取った。 「・・・・キスだけじゃ、物足りない?」 やんわりと笑った口唇から、赤い舌がチラリと覗く。 ガッツに残された道は、白旗を上げるしかない。 何時までたっても、確信犯には勝てないのである。
END |