50000番キリ番ゲッター さほ 様リクエスト

テニスの王子様 手塚×不二

高柳 悠    

 

                                           

 

キスをしよう。

 

そう、提案したのは、僕だ。

生真面目で。

鈍感で。

テニス馬鹿で。

そんな手塚に恋人同士の甘いムードや細やかな気遣いなんて求めるのは無理。

お互いの気持ちを確認したのは随分前なのに、優先順位がテニスにあるテニス馬鹿は長いことキスすらしてくれなかった。

ようやく解禁になったのは、部活を引退した後で・・・・・・・・・。

あまりにも見事な馬鹿ッぷりは賞賛に値する。

でも、手塚が好きな自分はそうとうな変わり者だろうし。

だから、ささやかなお願いだった。

二人で朝を迎える時は、おはようのキスをして、と。

初めて二人で迎えた朝に、お願いをした。

こんな時くらい、甘い気分を味わいたくて。

手塚は優しい瞳で了承してくれて、とても嬉しかったのを覚えている。

触れるだけの幼いキスに、うっとりと出来た優しい思い出。

 

キスをしよう。

 

その提案は、未だに有効だ。

生真面目で。

鈍感で。

相変わらずテニス馬鹿な手塚は、昔に交わされた約束を律儀に守ってくれる。

大学へ通う僕と、プロとなりアメリカを拠点として活躍を始めた手塚とは年に数えるほどしか会えないけれど。

帰国すれば会いに来てくれる。

僕が休みなら、会いに行く。

会えない時間は会える時間を更に濃厚にして、気だるい朝を迎えさせる。

 

「・・・んっ・・っ」

大柄な欧米人仕様の大きなベットはスプリングも優秀で、日本人にしては大柄な手塚と、それなにり平均の不二の体重を軽く支えて、びくともしない。

まだ寝起きでぼぉっとしているうちに、押さえ込まれて、歯列を割られた。

「・・手塚・・・・あ・・ん」

舌先で舌を強く押されて、逃げようとしたそれを絡め取られて、舌の根まで舐められた。

強く抱かれた背中を大きな手がすっと撫でて、ひくりと喉がなる。

手塚に誘われて誘い出された舌先を歯で甘く噛まれて、甘く声を上げてしまう。

「手塚・・・・」

ちゅっと、もう一度キスをしてくれてから、ようやく離れてくれた頃には息も絶え絶えな状態だ。

「おはよう、不二」

さわやかな笑顔の彼は、目を開けた僕にもう一度キスをしてくれてからベットから身をおこす。

「今日もいい天気だぞ」

と、カーテンを開け放ち、目に眩しい朝日を部屋に解き放った。

 

キスをしよう。

 

二人で迎える朝を少しだけ甘い気分を味わいたかった僕が提案した約束。

いつの間にか、甘い気分どころか、別の感覚を引き出されるくらいに濃厚なのをかまされる様になって、それどころではなくなった。

約束をグレードアップさせて守りきる生真面目さ。

気だるい身体に残る熱を煽るほどのキスをしながら、実に爽やかな笑顔を振りまく鈍感さ。

ぬける様な青空に、いいテニス日和だ、と絶対に思っているだろうテニス馬鹿。

 

ああ、何でこんな人を好きになっちゃったんだろう。

 

思いつつも、結構幸せな不二は、ベットの上から手塚の背中を見つめて微笑んでしまうのである。

 

END

 

 

・・・・あああああ、駄目

テニプリ難しい・・・・・

すっごい難しいよぉ